海の底の洞穴の中に、タコの家族が住んでいました。
坊やの名前は『オクト』君です。ある日、タコ父さんとタコ母さんが『陸の上のナス畑のナスビが食べたいなあ』とお話しをしていると、オクト君が『ぼくが取ってくる!』と言い出しました。
まだオクト君は小さいから無理だよ、お母さん達が言いましたが、オクト君は納得しません。
その日の夜、タコ父さんもタコ母さんもぐっすり眠っているのを確認してから、オクト君は洞穴を抜け出しました。
満月の光だけを頼りに、オクト君は海面に浮かんで、小さな入り江の砂浜から上陸します。
美味しそうな、ナス畑のナスビを目指して、オクト君は岩山を登ります・・・。
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