豆太は、峠の猟師小屋にじさまと二人暮らしです。 猟師小屋の前には、豆太が名づけた『モチモチの木』がありました。
秋になると、沢山の実を落としてくれる大きな木です。
その実をじさまが臼で挽いて、粉にしたものを餅にこねあげるととても美味しいのでその名がつきました。
でも夜になると、豆太は『モチモチの木』が恐ろしいお化けの様に見えてしまうのです。
ある日、じさまが今晩は『モチモチの木に灯がともる晩』だと教えてくれました。
それは山の神様のお祭りで、勇気のある1人の子供しか見ることができないと言うのです。
じさまも、豆太の死んだおとゥも見たことがあるらしいのです。
でも、それを見るには、真夜中に1人で外へ出なくてはなりません。
臆病で夜1人で外の雪隠(トイレ)へ行くこともできない豆太は、『オラワ、トッテモダメダ・・・』と恐ろしくなって布団を被って寝てしまいます。
その晩、じさまの唸り声で豆太は目を覚ましました。
じさまは腹を抱えて苦しがっています。
豆太は急いで医者を呼びに飛び出しました!
|