悪人には相応の報いがあると言うことですな。

おおきくしてみる?
童心社さんより画像掲載の許可を頂いています。

題名

ひとつめのくに

作・絵

せな けいこ 文/ 絵

出版社

童心社

発行日

1974年7月20日

楽しんだ歳

3歳

内容

せなけいこ・おばけえほんです。

昔々、見世物小屋がありました。

この見世物小屋の見世物師が中々のクセモノでした。
『目が三つで歯が二つの化け物』
と言って、お金を取って『ゲタ』を見せるのですから。
でも、そんなインチキな見世物小屋ですから、段々お客が来なくなります。

『なにか珍しいものは無いかなあ』
そう思っていた見世物師に、旅人が一つ目小僧に会ったと言いました。

見世物師は一つ目小僧を捕まえて大儲けしようと出掛けます。
途中の道標には
『是より比戸津目(ひとつめ)国へ八里』と書いてありました。

江戸から百里。
大きな原っぱの大きな木下に一つ目の女の子が一人いました。
見世物師はその女の子を呼び寄せると、捕まえて駆け出します。

でも女の子が大声を出したので、沢山の人が追いかけてきました。
見世物師は捕まってしまいます。
縄を打たれて奉行所へ連れて行かれて・・・。

そこで見たのは、お奉行様も、お侍も百姓も、みんな目が一つしかない『ひとつめのくに』だったのです。

自分では普通だと思っていることが、主観の違う人々から見れば異端でしかない、というお話。

読書後の注意

一つ目の人間しかいない国では、二つの目が珍しいのですね。
せなさん流のユーモアの詰まった一冊です。
 

17.9/9