半日村は、後ろに大きな山がそびえている為に、半日しか日が差さない村のことです。
朝日がまったく当たりません。
お昼になってからようやく燦々と日光が当たっても、すぐに日が入って寒くなってしまいます。
だから作物、殊に稲の生育がとても悪く、村人達もやせ細っていました。半日村には一平と言う子供がいました。
一平はある晩、両親が『あの山さえなかったら・・・。』と嘆くのを聞きました。
次の日一平は、村への日光を遮る山へ登ります。
そして天辺の土を、袋に詰めて肩に担ぎました。
それから山を下り、ふもとの湖に袋の土を捨てました。
子供達は一平を見て、変な事をしていると笑いました。
でも、一平が毎日山の土を運んでいるのを見ているうちに、何だか面白そうになって・・・。
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